外側上顆炎(テニス肘、バックハンドテニス)
症状
■ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛む。
多くの場合、安静時の痛みはありません。
■テニスなどバックハンドで打つ瞬間に肘の外側が痛む。
テニスによって発生することもあり、日常生活によって発生することもあり
繰り返しの仕事によって発生することもあります。
原因
■衝撃が、手首を動かす筋肉の肘への付着部に繰り返し加わることによって、
微小断裂や損傷を来し発生するものと考えられます。
■テニスなどバックハンドで打つ瞬間に手首を返す動作の繰り返しが原因。
簡単に行える疼痛を誘発する試験で診断します。
以下の3つの検査が一般に用いられています。
いずれの検査でも肘外側から前腕にかけての痛みが誘発されたら、テニス肘と診断します。
急激な怪我ではなくて、コツコツとダメージが蓄積していくことによる、
繰り返しの負担による怪我であるということです。
ダメージが蓄積し続けることによって、長期間にわたって痛みが出やすくなります。
手首をそらすための筋肉が原因になっているので、パソコンやスマートフォンを使いすぎることによって、
テニス肘が発生することが増えてきています。
肘の外側には、指を伸ばすための筋肉がくっついています。
テニスでいえば、バックハンドの衝撃を吸収する、日常生活では、雑巾絞りの負担を吸収する、
重たいものを持ち上げるための筋肉です。何度も繰り返し、前腕の筋肉に負担が入ることで、
筋肉が肘の関節の付着部を引っ張るようになり、炎症が出るようになります。
治療
■テニス肘は、肘に症状が出てしまっていますから、ほとんどのケースで、肘だけを治療されてしまいます。
でも実際には、上記のような筋肉に原因が多いので、前腕の筋肉を治療していかなければ、症状はいつまで
たっても改善されないんです。
■当院では症状の程度によっては、局所を安静にするためテニスを完全に休ませます。
その一方で、干渉波、アイシング療法、テーピング療法、温熱療法などを用います。
また、前腕ストレッチング、 筋力トレーニング、や筋力増強訓練(自動運動、漸増抵抗運動、等尺運動性訓練)
など、総合的な治療を行います。
テニス肘用サポーター、消炎鎮痛薬の外用などを組み合わせて行います。
再発予防も含めたテニス肘の予防法としては、ラケットのガットを緩めにするなどのラケットの選択やフォームの改良、
前腕のストレッチング、サポーターの活用、テニス後の肘のアイシングなどがあげられます。
内側上顆炎(野球肘)
野球以外のスポーツでも同じように肘を駆使するスポーツには多く見られるスポーツ障害であり、
テニスで同じ炎症が起きた場合は「テニス肘」といいます。
症状
■しびれや痛み、関節のロッキングにより投球などの動作のときに痛む。
原因
■野球肘の原因は、スポーツ障害の原因と同様、肘の使いすぎ。
無理な動作や反復運動により肘に負担のかかりすぎ。
また、投球フォームが乱れていたりすると肘への負担が大きくなり、野球肘になりやすいといわれています。
■痛みを我慢したり放置すると選手生命の危険性が特に高校野球などを行っていると、
少しの痛みなど我慢して行っているという子供も多いと思います。
しかし、この我慢が将来の夢を奪ってしまうことにもなってしまうのです。
野球肘は肘に力を入れたり曲げ伸ばしをする際に痛みが生じます。
これは無理に筋肉によって引っ張られたりしたことによって、肘の骨が炎症を起こしているからです。
なかには骨が欠けてしまい、剥離骨折や骨端線離開の可能性もあります。
■痛いときは無理はしない
野球を熱心に行っていれば行っているほど、痛みを我慢してプレイしてしまいがちです。
しかし、野球肘などは思春期などまだ骨や筋肉が完成していないことが原因で、
負荷がかかりやすくなって傷めてしまっているので、早期に休ませ炎症部位を回復させられれば、
比較的簡単に治すことができます。無理をしても症状が長引くだけでなく、
さらに悪化する可能性もありますし、それが原因で野球を続けられない、などというリスクも出てきます。
痛いときは無理をせず休ませることが一番の治療方法だと理解しておきましょう。
野球肘も、無理な負荷運動や発達途上の体が原因でおきます。
運動前の入念なストレッチや負担がかからないように筋力をつけたり、
運動後のアイシングなどで症状が和らげると、予防にもつながります。痛いときには無理は禁物です。
治療
■肘に症状が出てしまっていますから、ほとんどのケースで、肘だけを治療されてしまいます。
でも実際には、上記のような筋肉に原因が多いので、前腕の筋肉を治療していかなければ、症状はいつまで
たっても改善されないんです。
■当院では症状の程度によっては、局所を安静にするためテニスを完全に休ませます。
その一方で、干渉波、アイシング療法、テーピング療法、温熱療法などを用います。
また、前腕ストレッチング、 筋力トレーニング、や筋力増強訓練(自動運動、漸増抵抗運動、等尺運動性訓練)
など、総合的な治療を行います。
テニス肘用サポーター、消炎鎮痛薬の外用などを組み合わせて行います。
三角線維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)
三角線維軟骨(関節円板),手関節尺側側副靭帯および拳側と背側の橈尺靭帯などを含む
尺側支持機構を三角繊維軟骨複合体という。
手関節尺側の衝撃を吸収するクッションの役割と遠位橈尺骨間の働きを制御するスタビライザーの役割をもつ。
症状
■手関節の小指側の痛み、圧痛。
■手関節回旋運動時に痛み。
■手首にクリック感を訴え,さらにを小指側に倒すと痛みが増す。
原因
手首をやや小指側に反らせ、その状態でカを入れるような動作を反復することが原因になります。
テニスなどのラケットスポーツ、チアリーディングなどで見られます。
■転倒などで強く手を衝いた際や手関節から前腕に強いねじれ外力,とくに回内力が加わった際に発生する。
■手関節の使いすぎや 変性がある場合の軽微な外力で発生するものとがある。
■変性の場合は尺骨突き上げ症候群に合併して生じることが多い。
治療
■TFCC損傷では、TFCCの圧痛、尺屈回外(しゃっくつかいがい)テスト陽性(手関節を尺側に屈曲させた状態で
手のひらを上に向ける方向‐回外方向に前腕を回旋させると疼痛が増強する)などの臨床所見で診断されます
■原因となる動作の中止と、外傷性のものに対しては、3〜4週間の外固定を行います。
局部の安静を図り保存療法を行う。干渉波やマイクロ波で温めて血行をよくし自然治癒力を高めます。
改善がみられなければ観血療法が必要となる。
マレットフィンガー(突き指)
スポーツ活動中に指先からついてしまい筋損傷や骨折をおこしてしまう外傷で一般には突き指といいます。
大部分は適切な処置を施せば保存的に治癒が可能ですが、ほっておくと永遠に第二関節が伸びなくなる可能性もあります。
症状
■第二関節に腫れ、痛みが出現し、伸ばす運動が出来ない。
原因
■野球やバレーボールなどのスポーツ活動中に指先を衝いたときに多く発生します。
治療
■突き指の内、腱損傷と骨折は保存療法の適応となります。ギプス固定をした後に後療法として自動運動
温熱療法を施し、機能回復に努めていきます。
関節面を巻き込み脱臼骨折をしてしまった場合手術が必要となるので、本院では適切な処置を行った後
整形外科への通院をお勧めしております。
■ただの突き指と甘くみないで。
前述したとおり本症では永遠に運動障害が残ってしまう場合があります。
痛みに耐えるのではなく痛みを感じましたらすぐに来院されることをお勧めします。




ド・ケルバン病
母指(親指)を広げると手首(手関節)の母指側の部分に腱が張って皮下に2本の線が浮かび上がります。ドケルバン病はその母指側の線である短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にある手背第一コンパートメントを通るところに生じる腱鞘炎です。

症状
母指を広げたり、動かしたり手首を捻ったりすると
この場所に強い疼痛が走る。
妊娠出産期の女性、赤ちゃんの抱っこや入浴させる時、
おむつ替え、更年期の女性に多く生じます。
手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。
手首(手関節)の母指側にある腱鞘(手背第一コンパートメント)とそこを通過する腱に炎症が起こった状態で、腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、手首の母指側が痛み、腫れます。

原因
母指の使いすぎによる負荷のため、腱鞘が肥厚したり、腱の表面が傷んだりして、さらにそれが刺激し、悪循環が生じると考えられています。
特に手背第1コンパートメント内には、上記の2種類の腱を分けて通過させる隔壁が存在し、これがあるために狭窄が生じやすいです。
診断
上記の部位に腫脹や圧痛があり、母指と一緒に手首を小指側に曲げると痛みがいっそう強くなることで診断します(フィンケルシュタインテスト変法)。
正しくは母指を写真のように小指側に牽引したときに痛みが強くなることで診断します(フィンケルシュタインテスト)。⇒


親指を握りこんで手首を下に引きます。
すると、ドケルバン病ならば、赤丸の部分に痛みが生じます。

手首を下に向けて親指を前後に動かすと、
赤丸部分に痛みが生じる場合、ドケルバン病と判断されます。
この状態の手を上に向けてみると、ちょうど赤ちゃんを抱っこして、
頭を支えた時とほぼ同じ形になります。
赤ちゃんを抱っこした女性が、手首の赤丸部分が傷む場合、
この疾患である可能性が高いといえます。
治療
指の使用が原因となる場合は外固定により指の使用を制限し、安静にすることで腱鞘炎が落ち着きます。
当院では症状の程度により異なりますが、電気治療、超音波、マイクロ波、冷・温罨法
マッサージなどを週に2~3回施し、必要に応じて外固定を作ったり、専用のサポーターなどを
使用し負荷のかかる動作を和らげます。
ばね指「MP関節掌側の狭窄性腱鞘炎」
症状
初期-・指を動かしたときの痛み・母指はIP関節・他指ではPIP関節に疼痛出現
・指の屈伸自動運動時に屈筋腱が腱鞘にひっかかり、弾発現象を起こす(疼痛伴う)
・MP関節掌側に腫瘤(コブ)を蝕知する
進行-・他動的に伸展させなければ伸展出来なくなる
ばね指の原因
ばね指は腱鞘炎のなかの一つですが、腱鞘炎とは、指を曲げる時に使われる腱を囲んでいる
腱鞘という組織が炎症を起こすことです。
ばね指の原因として考えられるのが、第一に指の使いすぎによる炎症の発症ですが、
必ずしもそれだけではなく、女性の場合には産後や更年期などでホルモンバランスが乱れることにより引き起こされるケースもありますし、
関節リウマチや糖尿病が原因となっている場合もあります。
予防と治療
1.テーピングやサポーターで動きを制限させる。
2.マッサージ
バネ指になっている指を先端から手のひらの方までしっかり揉み解していきます。
指の側面や手のひらもやさしく揉み解していきます。
マッサージの頻度や時間ですが一日1回やさしくもんであげるだけでいいので3分くらいで大丈夫です。
